角度比較測定装置 ACMS-050

概要

 本装置は、ロータリエンコーダ、各種角度センサ等の角度を高精度かつ容易に測定可能な測定装置です。

 標準器を必要としない等分割平均法の採用により、外部環境に左右されなく、再現性よく測定が可能です。

特徴

1. 高精度測定が実現(0.05秒以下)
2. 環境に左右されなく、安定的な測定が可能
3. ローコスト、小型化を実現

仕様

1. 測定精度    : 0.05秒以下
2. 基準エンコーダ : 225,000PPR

3. 被測定入力形式 : TTL
4. 入力メモリ数  : 24CH (2,915,000パルス)
5. 測定時間    : 約3分(5分割、被測定物36,000PPR)

技術情報

 角度比較測定装置は等分割平均法を用いて、目盛位置ずれの分からない2つのロータリーエンコーダの角度位置誤差を相互に構成する装置です。

 図1は角度比較測定装置の概略図である。基準エンコーダAと被測定エンコーダBは同軸で連結されており、一定速度で回転します。割り出しエンコーダは基準エンコーダAのヘッドの位置決めに用いられます。

<図1 角度比較測定装置の構成概略図>

 基準エンコーダAの円周を例えば5分割したA0=0、A1=2π/5、A2=4π/5、A3=6π/5、A4=8π/5の位置で、基準エンコーダAとBの相対位置ずれδi+2πj/5を計測します。(iはエンコーダの目盛数、j=0,1,2,3,4)

 図2はエンコーダAとB、および理想目盛の関係を表した図です。
   図2から分かるように、AとBの相対位置ずれδi+2πj/5は式(1)のように表せます。

<図2 エンコーダの目盛の関係>


 読み取りヘッド位置を2πj/5ずらした5箇所の相対位置ずれの平均値μiは、式(2)になります。

 式(1a)から式(2)を引くと、式(3)になります。

 ここで、左辺は測定値から得られる値で、この値からロータリーエンコーダBの理想目盛からの位置ずれbi+0の5次の整数倍の次数以外のフーリエ成分の総和が求められます。
 従って、右辺第2項の5次の整数倍の成分が十分小さいとすると、ロータリーエンコーダBの校正値を得ることができます。