自己校正型高精度ロータリテーブル SCMS-107

概要

 本装置は、自己校正型ロータリエンコーダと被測定物との比較測定型角度測定装置です。
 任意の位置の校正値の比較測定と1回転での時間変換法による校正値の算出が可能です。

特徴

1. 小型・ローコストを実現しました。
2. 測定時間が短いため、量産用の計測に最適です。
3. エアーベアリングを搭載し、軸受による偏芯精度の影響を少なくしました。
4. PCより校正角度での位置決め制御が可能です。

仕様

1. 位置決め精度 :±0.1秒             
2. 分解能    :メインスケール36,000パルス及び電気内挿1024逓倍

                           (0.035角度秒ピッチ)
3. 位置決め範囲 :360°(cw、ccw方向)
4. 自己校正時間 :約1分(メインスケール36,000パルスの場合)

5. 耐荷量    :7kgまで
6. ロータリテーブル寸法/重量 :寸法320(W)×320(H)×320(D)mm/重量55kg
7. 内蔵エンコーダ:自己校正型ロータリエンコーダ12ヘッドを7等分、4等分、3等分に配置

          ディスクヘッド分離型

8. 電装BOX寸法/質量 :寸法420(W)×200(H)×480(D)mm/重量10kg

9. インターフェース(input) :自己校正型ロータリエンコーダ信号入力×4

                    逓倍信号入力×1 外部エンコーダ信号入力×1(端子台) 

                    モータ制御信号入力×1

10. インターフェース(output):LAN(データ出力用)×1 RS232c出力×1(制御用)

11. 使用温度範囲 :5°C~40°C

12. 使用湿度範囲 :30%~80%(非結露)

13. 電源電圧   :100V/200V

14. 消費電力   :300VA以下

15. 出力データファイル形式  :CSVファイルにて校正角度出力・保存可能

技術情報

 自己校正型角度測定装置は「等分割平均法」を用いて、他の基準となるロータリーエンコーダと比較することなく、単独で目盛位置ずれを校正できるロータリーエンコーダです。
 すなわち、「角度比較測定装置」における2つのロータリーエンコーダに配置された読み取りヘッドをひとつのロータリーエンコーダ上に配置することにより、自分自身を校正するものです。

<図3 自己校正型角度測定装置の概略図>

 図3は5個のエンコーダヘッド(j=0,1,2,3,4)を円周上に等分割に配置した自己構成型角度測定装置の概略図です。
 基準となるヘッド(j=0)と他のヘッド(j=1,2,3,4)との相対位置ずれδi+2πj/5およびそれらの平均値μiはそれぞれ式(4)、式(5)のように表せます。

 ここで、等分割平均法から右辺の第2項はai+0の5次のフーリエ成分とみなすことができます。
 従って、5次のフーリエ成分が十分小さいとするならば、測定値μiは校正曲線とすることができます。

 図4は5個のヘッドの相対位置ずれと基準ヘッド(j=0)の校正曲線の図です。

<図4 校正曲線のグラフ>